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論文

Zeolite-assisted radiolysis of aromatic chlorides mitigating influence of coexisting ions in water matrix

熊谷 友多; 木村 敦*; 田口 光正*; 渡邉 雅之

Radiation Physics and Chemistry, 191, p.109831_1 - 109831_8, 2022/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)

本研究では、疎水性ゼオライトによる吸着を併用することで、放射線による水中有機物の分解処理の高効率化を試みた。水中有機物の放射線分解処理では、水分解に由来するラジカルの反応を利用するが、それらのラジカルと反応する夾雑イオンが存在すると分解処理の効率が低下するという課題がある。そこで、吸着処理を併用することで夾雑イオンの影響を低減する方法について研究した。組成におけるSi/Al比が高く、疎水性を呈するモルデナイト型ゼオライト(HMOR)を吸着材として利用したところ、HMORに吸着する2-chlorophenolおよび2-chloroanilineの分解反応は、夾雑イオンの存在下でも高い反応効率で進行した。一方で、HMORにほとんど吸着しない2-chlorobenzoic acidの分解反応では、HMORによる吸着処理併用に有意な効果は認められなかった。これらの結果から、吸着によってゼオライト細孔内に有機物を濃縮し、水中の夾雑イオンと空間的に分離することで、放射線による分解反応を促進できることが分かった。

論文

Treatment of pharmaceuticals/antibiotics in wastewater by combination of zeolite adsorbent with ionizing radiation

田口 光正*; 熊谷 友多; 木村 敦*

IAEA-TECDOC-1855, p.106 - 116, 2018/00

廃水中の微量医薬品成分や抗生物質を分解除去する技術として、ゼオライト吸着材と放射線を組み合わせた方法を開発した。ゼオライト吸着材には組成のシリカ成分を高めることで疎水化したHMORというゼオライトを用いた。2-chlorophenol(2-ClPh)をモデル分子としてHMORの吸着性能を調べた結果、希薄水溶液からの吸着では99%以上の除去率が観測された。また、2-ClPhをHMORに吸着した状態で照射することで、水溶液の照射に比べて分解が促進され、水溶液を10倍濃縮する場合と同等の効果があることが分かった。さらに、医薬品成分の分解への適用性を検証するため、クロフィブラート(高脂質血症治療剤)、トリクロサン(抗菌剤)の分解について照射試験を行った。これらの医薬品成分は塩素を含むため、分解の指標として照射による塩化物イオンの生成量を測定した結果、HMORの併用によって分解効率がおよそ2倍に向上することが分かった。

論文

Silver extraction by $$N,N,N',N'$$-tetraoctyl-thiodiglycolamide

佐々木 祐二; 鈴木 智也; 森田 圭介; 吉塚 和治*

Hydrometallurgy, 159, p.107 - 109, 2016/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:27.46(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

新しいソフト配位原子を含む三座配位系の抽出剤を開発し、試験した。テトラオクチルチオジグリコールアミド(S-DGA)抽出剤はテトラオクチルジグリコールアミドの酸素原子をイオウに置き換えた化合物である。S-DGAは酸溶液中の銀をドデカン溶媒に比較的高い分配比で抽出可能である。そこで我々はS-DGAを用いて硝酸, 硫酸, 過塩素酸中の銀の抽出挙動を調べ、結果を示した。

論文

Yields of primary products from chloroethylenes in air under electron beam irradiation

箱田 照幸; 橋本 昭司*; 小嶋 拓治

Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00

電子ビーム照射による空気中クロロエチレンの分解処理技術の開発の一環として、塩素が4個のテトラクロロエチレンから1個のモノクロロエチレンについて一次分解生成物の定量を行い、その収率について調べた。その結果、一分解生成物の生成には、炭素炭素間の結合が開裂して生じる場合と、塩素原子が解離することにより生じる場合の2種類が存在する。クロロエチレン分子内で、どちらか一方の炭素原子に2つの塩素原子が結合している場合には、塩素原子の解離が支配的で、さらに分子全体の塩素原子数が大きいほど炭素炭素間の結合が開裂しにくくなることがわかった。また分子内の2つの炭素原子に1個以下の炭素が結合している場合には、炭素炭素間の開裂が支配的であることを明らかにした。

論文

Electron-beam decomposition of vaporized VOCs in air

廣田 耕一; 箱田 照幸; 新井 英彦; 橋本 昭司

Radiation Physics and Chemistry, 65(4-5), p.415 - 421, 2002/11

 被引用回数:25 パーセンタイル:81.52(Chemistry, Physical)

空気雰囲気において、脂肪族系及び芳香族系揮発性有機化合物(VOC)に電子ビームを照射し、その分解挙動を調べた。脂肪族系では、クロロエテンがClラジカルによる連鎖反応を起こす一方、クロロメタンは熱電子によって分解することがわかった。また、主な生成物は一酸化炭素と二酸化炭素であった。芳香族系では、キシレンが最も分解しやすく、次いでクロロベンゼン,ベンゼンの順になった。これには、OHラジカルとの速度定数の大小関係のほか、分解によって生成する粒子状物質が関与していることがわかった。また、ガス状の分解生成物はカルボン酸やエステルなどの酸化物であることがわかった。

報告書

セメント系材料に対する核種の収着データベースの整備

加藤 大生*; 嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫; 本田 明

JNC TN8400 2001-029, 63 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-029.pdf:1.81MB

TRU廃棄物の処分システムにはセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料には収着により核種の移行を遅延させる機能が期待されている。このため、TRU廃棄物の処分システムの評価においては、セメント系材料に対する核種の分配係数Kd が重要なパラメータとなる。セメント系材料に対する核種の収着に関する研究は、国内外で数多く報告されている。したがって、既存の知見を整理し、核種の分配係数を把握しておく必要がある。本報告では、性能評価上重要となるC, Cl, Ni, Se, Sr, Zr, Nb, Mo, Tc, Sn, I, Cs, Sm, Pb, Ra, Ac, Th, Pa, U,Np, Pu, Am, Cm 等の元素を対象として、セメント系材料に対する分配係数を文献及び内部実験結果から抽出・整理し、収着データベース(SDB)としてまとめた。SDB 整備の過程で、Se, Tc, Pa, U, Pu, Np 等といった実験雰囲気や酸化還元電位により化学形態が変化すると考えられる元素について、実験雰囲気が制御された条件で得られた分配係数はいくらかあるももの、酸化還元電位が制御された条件で得られた分配係数はほとんどないことを把握した。また、Se, Mo, Sm, Cm, Ac の分配係数がこれまで測定されていないことが分かった。これらの元素のうち、Se及びMo について、OPC(普通ポルトランドセメント)に対する分配係数をバッチ収着実験により取得し、SDB に反映した。

報告書

環境中における安定および放射性塩素同位体研究の現状と課題

櫛田 浩平

JAERI-Review 2001-043, 95 Pages, 2001/12

JAERI-Review-2001-043.pdf:4.04MB

本調査報告は、塩素の安定同位体及び放射性同位体に関する研究について、その初期の研究例を含め特に最近の研究報告に主眼をおいて総括したものである。初めに塩素の一般的な性質,存在,利用法を概観し、さらに近年問題となっている塩素系の環境負荷物質についてその現状と研究例を調べた。次に塩素安定同位体($$^{35}$$Cl及び$$^{37}$$Cl)に関する研究について、同位体比質量分析法(IRMS)及び熱イオン化質量分析法(TIMS)の技術開発とその応用研究について調べた。さらに塩素放射性同位体に関する研究について、加速器質量分析法(AMS)による$$^{36}$$Cl測定法の開発とその地球化学その他の分野への応用研究を中心にまとめた。最後にこれまでの研究例を踏まえ、将来重要となる塩素同位体の研究課題について考察した。

論文

Charge-separation process of the C$$_{2}$$H$$_{4}$$+Cl$$_{2}$$ reaction in water; Ab initio molecular orbital study using a cluster model

黒崎 譲

Journal of Physical Chemistry A, 105(49), p.11080 - 11087, 2001/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:9.19(Chemistry, Physical)

C$$_{2}$$H$$_{4}$$+Cl$$_{2}$$反応の水中における電荷分離過程を、反応系に4個の水分子を加えたクラスターモデルを用いて非経験的分子軌道法により研究した。その結果、最終生成物である電荷分離錯体(M3)は反応系の解離極限、C$$_{2}$$H$$_{4}$$+Cl$$_{2}$$+4H$$_{2}$$O、より4.3kcal/molエネルギー的に低く、反応系で生成する錯体(M1)より0.6kcal/mol高いことが予測された。また、気相中の自由エネルギーを求め、それに溶媒和自由エネルギーを加えることによって全自由エネルギーを計算したところ、M3の全自由エネルギーはM1より5.1kcal/mol低いことが予測された。この結果は水中におけるこの反応系の電荷分離過程が自発的であることを強く示唆する。

報告書

ガス処理装置仕様

寺岡 有殿; 吉越 章隆

JAERI-Tech 2001-005, 45 Pages, 2001/03

JAERI-Tech-2001-005.pdf:3.39MB

SPring-8の原研軟X線ビームラインに表面化学研究用の実験ステーションとして表面反応分析装置を設置した。表面反応分析装置では固体表面と気体分子の表面反応機構を研究することを目的としている。そのため、反応ガスをその装置に供給する必要がある。使用するガスとして、酸素等のほかに塩素と有機金属ガスを想定している。塩素には腐食性、毒性があり、有機金属ガスは可燃性であるため、安全な取り扱いと排気ガスの除害が必要である。本ガス処理装置は、おもにガス漏洩対策を施したシリンダーキャビネット,ガスミキサー、さらに、ガス除害装置,緊急除害装置から構成されている。本報告ではそれらについて仕様の詳細を述べる。

論文

Photochemical reaction intermediates of benzyl chloride in condensed phase

平塚 浩士*; 岡本 貴博*; 黒田 聡*; 奥津 哲夫*; 前岡 裕徳*; 田口 光正; 吉永 鉄大郎*

Research on Chemical Intermediates, 27(1-2), p.137 - 153, 2001/02

 被引用回数:9 パーセンタイル:18.52(Chemistry, Multidisciplinary)

凝縮相においてベンジルクロライドの光分解を行い反応中間体について分光学的に研究を行った。ベンジルクロライドを含むエタノールを77Kで紫外線照射し、分光測定したところ2種類の反応中間体(塩素がオルト位に転移したベンジルクロライドの異性体と、ベンジルラジカル)が確認された。また、これら2種類の中間体の生成は、室温において紫外線レーザー光照射直後の過渡吸収測定によっても確認された。これら中間体は、励起状態のベンジルクロライドが溶媒かご中でベンジルラジカルと塩素原子となったものが、かごを抜けきれずに塩素がオルト位に再結合した、あるいはかごを抜け出した結果生じたと考えられる。

論文

砂質帯水層におけるトリチウム及び塩素の3次元移行解析

武田 聖司; 木村 英雄

KURRI-KR-53, p.14 - 17, 2000/09

専門研究会「水素同位体の環境移行機構」において、地下水中の環境同位体であるトリチウムとヘリウムの濃度データ、降雨中の実測トリチウム濃度等から、地下水に供給される非定常なトリチウム量を推定し、帯水層中のトリチウム移行を3次元移流分散モデルにより評価した事例について概説する。観測されたトリチウム濃度分布との比較から、その濃度分布を25%以内の精度で評価でき、放射性廃棄物の安全評価に用いられる移流分散モデルの妥当性を検証した。

論文

Ab initio molecular orbital study of the C$$_{2}$$H$$_{4}$$+Cl$$_{2}$$$$rightarrow$$C$$_{2}$$H$$_{4}$$Cl$$_{2}$$ reaction

黒崎 譲*

Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 503(3), p.231 - 240, 2000/05

本研究では、まず気相中における反応C$$_{2}$$H$$_{4}$$+Cl$$_{2}$$$$rightarrow$$C$$_{2}$$H$$_{4}$$Cl$$_{2}$$の機構について理論的に検討した。極限的反応座標(IRC)計算の結果、得られた反応物、遷移状態(TS)、生成物が1つの反応経路上にあることが確認された。反応の活性化エネルギーはPMP4及びB3LYPレベルで、それぞれ36.3,35.9kcal/molと計算された。次に、溶媒中における同反応の機構について検討した。その結果、極性溶媒中では気相中のようなTSが存在しないことが予測された。また、気相中では励起状態であったC$$_{2}$$H$$_{4}$$Cl$$^{+}$$+Cl$$^{-}$$が、極性溶媒中では基底状態となることが明らかとなった。誘電率80の極性溶媒中では、C$$_{2}$$H$$_{4}$$Cl$$^{+}$$+Cl$$^{-}$$のエネルギー値は反応物(CH$$_{4}$$+Cl$$_{2}$$)と比較して11.2kcal/molとなることがB3LYPレベルで計算された。このことは、この反応が気相中よりも極性溶媒中でより起こりやすいことを示唆している。

論文

k$$_{0}$$ standardization approach in neutron-induced prompt $$gamma$$-ray analysis at JAERI

松江 秀明; 米澤 仲四郎

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 245(1), p.189 - 194, 2000/04

 被引用回数:21 パーセンタイル:77.56(Chemistry, Analytical)

k$$_{0}$$法は、比較標準試料を使用することなく多元素を同時定量できることから、中性子放射化分析法の定量法として注目されている。近年ハンガリー同位体研究所(IKI)及び米国NISTにおいて中性子即発$$gamma$$線分析(PGA)へ内標準法に基づくk$$_{0}$$法の適用が試みられ、塩素を内標準とする十数元素のk$$_{0}$$値が報告された。PGAにk$$_{0}$$法を適用することで、比較標準試料を使用しないで、多元素を正確に定量でき、得られたk$$_{0}$$値は他の施設と共用できることから、原研においてもk$$_{0}$$-PGA法の適用を試みた。本研究ではJRR-3M熱及び冷中性子ビームにおける塩素を内標準とするk$$_{0}$$値の測定を行い、得られた値をIKI及びNISTの報告値と比較した。その結果、冷中性子ビームで27元素、熱中性子ビームで22元素のk$$_{0}$$値を求めることができた。得られたk$$_{0}$$値はIKI及びNISTのk$$_{0}$$値とも良い一致を示した。

報告書

高速実験炉「常陽」冷却材及びカバーガス純度管理データベース(MK-II炉心)

伊藤 和寛; 根本 昌明; 佐井川 拓也*; 助川 一弥*

JNC TN9410 2000-008, 66 Pages, 2000/03

JNC-TN9410-2000-008.pdf:1.39MB

高速実験炉「常陽」は、昭和57年に、照射用炉心(MK-II炉心)として初臨界を迎えて以来31サイクルの定格出力運転と13項目の特殊試験のための短期間運転及び8回の定期検査を行い、平成9年12月にMK-III炉心への移行を開始した。この間、1次系ナトリウムは67回、2次系ナトリウムは81回、1次系カバーガスは75回、2次系カバーガスはオーバフロータンク及びダンプタンクから各89回のサンプリングを実施し、不純物濃度データを蓄積してきた。「常陽」MK-II炉心の集大成として、これらのデータ及びこれらに関連するプラントデータについてユーザが利用できるようにデータベースとして整備した。本データベースには、関連するプラントデータと「常陽」実機で測定した1次系ナトリウム及び2次系ナトリウム中の酸素、炭素、水素、窒素、塩素、鉄、ニッケル及びクロムを、1次カバーガス及び2次カバーガス中の酸素、水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン及びヘリウムの濃度を収録している。これらのデータは、ユーザが利用しやすいようにその時の炉心状態と併せて収録した。

報告書

人工バリア中の核種移行挙動に関する研究(II)

大橋 弘士*; 佐藤 正知*; 小崎 完*

JNC TJ8400 2000-018, 79 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-018.pdf:2.09MB

地層処分の安全評価のための基礎的研究として、粘土緩衝材中の核種の拡散挙動およびオーバーパックの腐食に関連した研究を行った。緩衝材中の核種の移行挙動に関する研究では、ベントナイトの主たる構成鉱物であるモンモリロナイトに対して、水で飽和した状態の圧密試料の底面間隔ならびに含水率を求めた。また、Na+、Sr2+、Cs+、Cl-イオンの見かけの拡散係数およびそれらの活性化エネルギーを異なった乾燥密度において決定した。得られた活性化エネルギーは乾燥密度の増加とともに増加する傾向を示した。これは、圧密モンモリロナイト試料中のイオンの拡散機構が乾燥密度の増加にともなって変化していることを示唆している。ここでは、これらの活性化エネルギーの変化を合理的に説明するために、支配的な拡散プロセスが乾燥密度の増加によって細孔拡散から表面拡散へ、さらに表面拡散から層間拡散へと移り変わるとした複合的な拡散モデルを提案した。Na型モンモリロナイトは、粘土緩衝材に地下水やセメント構造材などからもたらされたCa2+イオンとイオン交換することによって変質することが考えられる。この変質がイオンの拡散挙動に及ぼす影響を評価することによって変質することが考えられる。この変質がイオンの拡散挙動に及ぼす影響を評価するため、Na/Ca混在型モンモリロナイト中でのNa+およびCs+イオンの見かけの拡散係数とそれらの活性化エネルギーを調べた。その結果、Ca型化によるベントナイトの変質は、Na+およびCs+イオンの見かけの拡散係数ならびに拡散の活性化エネルギーに影響を及ぼすことが明らかとなった。こうした影響は、細孔拡散のみでは説明できず、複合拡散モデルによってもっとも合理的に説明されることが示唆された。ベントナイト中でのオーバーパックの腐食挙動を理解するため、ベントナイト中に存在する黄鉄鉱の乾燥中の酸化挙動を調べた。ベントナイトの乾燥に伴って、ベントナイト中の黄鉄鉱量の減少、ベントナイト懸濁液のpHの低下ならびに硫酸イオン濃度の増加が認められた。これは、乾燥中において黄鉄鉱の酸化が徐々に進行することを示している。一方、ベントナイトの乾燥時間の増加に伴い、ベントナイト中の鉄の平均腐食速度ならびに腐食生成物の見かけの拡散係数が増加することが明らかになった。これらは、黄鉄鉱の酸化に伴うpHの低下に起因していると考えられる。

論文

Dechlorination of chlorobenzene in air with electron beam

広田 耕一; 箱田 照幸; 新井 英彦; 橋本 昭司

Radiation Physics and Chemistry, 57(1), p.63 - 73, 2000/01

 被引用回数:35 パーセンタイル:88.42(Chemistry, Physical)

初期濃度およそ20ppmの空気中クロルベンゼンに対して、4,8kGy及び4kGyにアンモニアを加えた場合の3種類について、塩素と炭素のマスバランスを調べた。その結果、4kGy照射により、除去されたクロルベンゼンのおよそ65%が脱塩素化していることがわかった。この値は8kGyでもほぼ同じとなった。アンモニアを加えることにより脱塩素化は促進され、およそ80%となった。また、クロルベンゼン分解により生成したガス状の物質を分析した結果、ギ酸と無機炭素の量が全ガス状物質のおよそ70%を占めることがわかった。さらに、FTIR等による分析により、ガス状物質の生成には脂肪族系酸化物が、エアロゾルの生成には有機窒素酸化物がそれぞれ関与していることがわかった。

論文

Magnetic properties of neptunyl(+1) compounds

中本 忠宏; 中田 正美; 中村 彰夫

Recent Research Developments in Inorganic Chemistry, 2, p.145 - 163, 2000/00

ネプツニル(+1)ギ酸塩錯化合物:(1)(NH$$_{4}$$)[Np$$^{V}$$O$$_{2}$$(O$$_{2}$$CH)$$_{2}$$]及び(2)[Np$$^{V}$$O$$_{2}$$(O$$_{2}$$CH)(H$$_{2}$$O)]の磁気的性質を、磁化測定及び$$^{237}$$NPメスバウア分光法を用いて調べた。(1)は2-300Kの範囲でキューリーワイス型の常磁性体、(2)は飽和磁化1.23$$mu_{B}$$/NPを持つTc=12Kの強磁性体であることを明らかにした。それらのNpメスバウアスペクトルは、(1)が低温で常磁性緩和を示すのに対し、(2)は綺麗に分解した磁気分裂スペクトルを与えた。磁化率及びNpメスバウアスペクトルの測定結果を、これらのネプツニル(+1)錯体に特徴的な一軸性O=Np=0結合に伴うNp5b磁気モーメントのアイジング的な振舞、L-S結合、一軸性の結晶場(配位子)分裂等の項を適切に考慮に入れることにより、初めて理論的に満足にかつ定量的に解析することに成功した。

報告書

再冠水に関する原位置試験研究(その2)

not registered

JNC TJ1400 99-038, 83 Pages, 1999/02

JNC-TJ1400-99-038.pdf:4.96MB

本報告書は、核燃料サイクル開発機構の委託研究による「再冠水に関する原位置試験研究」をまとめたものである。ミニドーム(実験サイトのGL一50m$$sim$$GL82.5m間に構築した地下構造物の名称)埋戻し後に実施した再冠水から11カ月までの調査データをとりまとめている。神奈川県相模原市郊外に位置する相模川河川沿いの洪積台地上においてGL-82.5m間に構築した地下空間実験場周辺の地下水調査を行った。当該地盤は、GL-7mまではローム層により、またその下層厚14mまでは砂礫層が存在している。それ以深(GL一21m)の地盤はところどころに挟み層を含んだ泥岩層で構成されている。本調査は、1)ミニドーム埋戻し後に実施する再冠水過程における周辺岩盤の地下水環境変化の把握と2)地下水環境に対するモニタリングシステムの検証を行うため、泥岩層内に帯水する地下水の水圧、水温、pH、電気伝導率、および埋戻し工事で使用した埋戻し材(流動化改良土)から発生する固化熱によるミニドーム壁面の温度変化を計測した。さらに、浅層地下水と深層地下水の関連を調査するためコアおよび試錐孔内の地下水に対して安定同位体分析、また現地の浅層地下水で検出されている有機塩素化合物の有無を深層地下水に対して調べた。ここで、実施した再冠水過程は2回である。一つは、埋戻しlケ月後(Hl0.3.19)に計画通りに実施したもの(以下、第1回目再冠水と呼ぶ)と、もう一つは、埋戻し8ケ月後(Hl0.l0.6〉に水中ポンブの誤動作によって発生したもの(以下、第2回目再冠水と呼ぶ)である.その結果、地下50m以深の堆積軟岩中に構築した地下空洞を埋戻した後、再冠水を実施したことによる地下水環境変化の貴重な資料が得られた。そこで、これまで得られた知見をまとめると以下のようである。

論文

Luminescence study on the inner-sphere hydration number of lanthanide(III) ions in concentrated aqueous salt solutions in fluid and frozen states

木村 貴海; 加藤 義春

Journal of Alloys and Compounds, 278, p.92 - 97, 1998/00

 被引用回数:69 パーセンタイル:92.91(Chemistry, Physical)

時間分解蛍光法を用いて、流動(室温)及び凍結(液体窒素温度)状態にある高濃度塩溶液(NaCl,NaNo$$_{3}$$及びNaClO$$_{4}$$)中のランタノイド[Ln](III)イオン[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の内部水和数N$$_{H2O}$$を発光寿命測定により研究した。凍結溶液中のLn(III)の消光挙動は、流動溶液と同様にイオンの励起状態から水和水のOH振動へのエネルギー移動によることを明らかにした。各温度でのD$$_{2}$$O-H$$_{2}$$O溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したH$$_{2}$$O中でのN$$_{H2O}$$から塩溶液中のN$$_{H2O}$$を評価した。流動溶液中でのLn(III)のN$$_{H2O}$$から、NO$$_{3-}$$は内圏錯体を生成するがCl$$^{-}$$とClO$$_{4-}$$は生成しないこと、ClO$$_{4-}$$は高濃度で水和水の消光効果を促進することを明らかにした。一方、凍結溶液中では、Cl$$^{-}$$とNO$$_{3-}$$が内圏錯体を生成しN$$_{H2O}$$が約1及び2~3減少すること、ClO$$_{4-}$$は高濃度でも水和に全く影響しないことを見出した。

論文

Comparative study on the hydration states of Cm(III) and Eu(III) in solution and in cation exchange resin

木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; G.R.Choppin*

Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.719 - 722, 1998/00

 被引用回数:48 パーセンタイル:88.91(Chemistry, Physical)

III価アクチノイド、ランタノイドの分離は、高濃度塩素系での陽イオン交換で可能であるが、硝酸系や過塩素酸系では不可能である。媒質中での分離機構の違いは、吸着種の分子レベルでは明らかではない。これまで、時間分解蛍光法によるCm(III)及びEu(III)の内部水和数N$$_{H2O}$$の決定法を報告してきた。本報では、この方法を固液界面でのこれらイオンの水和状態の研究に適用した。陽イオン交換樹脂AGWX8を試用し、トレーサーによる分配計数K$$_{D}$$,ならびに酸溶液及び樹脂/溶液界面におけるN$$_{H2O}$$を測定した。5M以上の塩酸溶液中でCm(III)とEu(III)のK$$_{D}$$及びN$$_{H2O}$$に違いがみられた:K$$_{D}$$(Eu)$$>$$K$$_{D}$$(Cm),N$$_{H2O}$$(Eu)$$>$$N$$_{H2O}$$(Cm)。これは、Eu(III)よりCm(III)がクロロ錯体形成が強いことによる。高濃度塩酸中で樹脂上のイオンの内圏から約3-4の水分子が排除されていた。硝酸、過塩素酸溶液での結果も併せて報告する。

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